ことばの羽根 ~あるSTの物語~17

前回のお話はこちら

さて、慢性睡眠不足や山積みのレポート
終わらない生理との戦いに
なんとか終わりをつげ
なんとか打ち勝ったころには
すっかり寒くなっていた

学生生活もあと半年をきっている
年が明けて少ししたら国家試験もあり
その先には言語聴覚士として働く
という任務が待っているわけだ

というわけで就職活動も行わなくてはならない

正確に言うと実はもっとはやくから行っていて
私の場合、たしか臨床実習に行く頃には
就職先は決まっていたような気がする

私は回復期リハビリテーションができる病院を
希望しており、夏頃にいくつかの病院へ
見学に行った

ちなみに当時はまだ言語聴覚士という職業は
メジャーではなく新設も珍しくなかった

つまり
「そこにはまだ言語聴覚士はいない」
という状況であるということ

先輩がいないということだ

これを聞いて驚く方も多いと思うが
当時はそれほど珍しいことではなかった

とは言ってもさすがに新卒の学生は
そのような先輩がいない就職先は
避ける傾向にあるのだが
なぜか私はそれに近い職場を選んだ

完全に新設というわけではなかったが
非常勤の先輩しかおらず
その病院における言語聴覚士の仕事や立場は
確立されていないというかんじだった

なぜその病院を選んだかについては
次に書くとしよう

  続く。

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