エッセイ「母」という単純な生き物

我が子が笑顔だと楽しい
ゲームのルールなんて全然わかんないけど
我が子が楽しそうにやっていれば
それだけで私も楽しい

我が子が友だちと笑いあっていると嬉しい
だんだんと母親よりも友だちのウェイトが
大きくなって寂しい気もするけど
それでもやっぱり
友だちと笑いあっていてほしいと思う

我が子が泣いていると悲しい
親である自分が
解決してあげられることばかりではない
けれどもなんとかしてあげられないかと
毎回考えてしまう
そしていつも自分の無力さを感じる

我が子が病気になるとつらい
変わってあげられるものなら変わってあげたい
けれどもそんなことできるわけもなく
ただただ回復を願って衣食住を整える

我が子が「美味しい」と言ってくれることが
この上なく嬉しい
家事は好きじゃないけどこの一言は
すべての苦労と疲労を帳消しにしてくれる

そして弁当箱が空っぽになって帰ってくると
それだけで嬉しい

母とは単純な生き物だ

単純な生き物であるからこそ
我が子を愛し、育て
はばたかせることができるのかもしれない

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