読書記録『「うつ病」の再発を防ぐ本』

家族と本人が知っておくべき予防法

『「うつ病」の再発を防ぐ本』

『「うつ病」の再発を防ぐ本』

 監修:神庭重信
 発行所:大和出版
 2023年6月30日 初版発行

本書はうつ病の既往がある方におすすめです。

本書は以下の4部構成で書かれています

『「うつ病」の再発を防ぐ本』

1 治療中の再燃、治療後の再発 ぶり返しの原因を突き止め、解決する
2 基本的な治療の流れ うつ病の要因と治療プロセスを理解する
3 自分でできる再燃・再発予防 これ以上うつ病をくり返さないために生活の土台をつくる
4 家族・周囲の人の対応 ニュートラルな態度で本人を受け入れる

うつ病の要因

本書では以下のように述べられています

うつ病の構成要因には社会的要因、心理的要因、生物学的要因があり、3つの要因が複雑に影響を及ぼしあっています。治療の際には、どんな要因があり、どれが強く影響しているのかを個別に見ていく必要があります。(中略)要因は、検査などで数値化できるものではないうえ、互いに深く関わり合い切り離すことができないためです。

『「うつ病」の再発を防ぐ本』Part2 うつ病の要因と治療プロセスを理解する より引用

〇 社会的要因とは「環境や社会状況によるなりやすさ」職場や家庭、災害などの社会状況、経済状況が絡んできます。

〇 心理学的要因とは「生来の気質や性格によるなりやすさ」こだわりの強さや完璧主義、心配性の人はうつ病になりやすい。

〇 生物学的要因とは「遺伝や病気によるなりやすさ」病気によってうつ病になりやすいものもある。

これら3つの要因がどれかひとつというわけではなく複雑に絡み合っているということですね。私もうつ病の既往がありますが、思い返してみると3つとも心当たりがあり、当てはまっていたなと思います。

うつ病はよく「心の風邪」と言われることも多いですが、心の風邪であればこれら3つの要因とまでは言えないですよね。誰でもかかる可能性があるという点では間違っていませんが、それだけでは済まない恐ろしさ、ややこしさをうつ病は持っていますね。

焦りがあるとは

焦りがあるということは、裏を返すとまだうつ病が治っていないということです。病気が治っていないのに、空回りする気持ちに急かされて前と同じように働けば振出しに逆戻りします。いままでせっかく休んで治療してきたことも、すべてゼロになってしまうでしょう。

『「うつ病」の再発を防ぐ本』Part1 ぶり返しの原因を突き止め、解決する

私もうつ病真っただ中のころはかなり焦りを感じていました。焦りと不安で押し潰されそうでその感情が更に悪化させているなと感じていました。私の場合は少々無理をして復職してみましたが1日か2日で結局再び休職し退職することになりました。

その焦りがあるということはそもそも治っていないということだったんですね。

キャリアとか職場での人間関係とか経済的不安により焦る気持ちがどんどん膨れ上がっていたように思います。

このように感じているのがうつ病なのですから、家族含め周りの人は本人にそのように思わせないように環境を整えること、余計な一言をいわないことなど注意することが多々ありそうですね。

うつ病関連本は職場の人間関係や薬などの治療法にフォーカスした本が多いように感じていますが、本書は家庭における人間関係についても少し言及しています。個人的には家庭環境はものすごく重要だと感じているので本書には共感できるところが多くありました。

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