読書記録『老後ひとり難民』

『老後ひとり難民』

 著者:沢村香苗
 発行所:幻冬舎
 2024年7月30日 第一刷発行

本書は以下の5部構成で書かれています

『老後ひとり難民』

  1 高齢者を支える制度は、何を見落としてきたのか
 2 公的制度からこぼれおちる「老後ひとり難民」たち
 3 「老後ひとり難民」が”死んだあと”に起きること
 4 民間サービスは「老後ひとり難民」問題を解決するのか
 5 「老後ひとり難民」リスクの高い人がすべきこと

面倒を見られる家族がいること前提

介護保険は「面倒を見られる家族がいること」を前提に作られている
(中略)
つまり、介護を担える家族がいないケースにおいて、要介護者の方にどのように対応するのか、十分に想定していなかったとも言い換えられます。

『老後ひとり難民』第1章 高齢者を支える制度は、何を見落としてきたのか より引用

私自身、現在老健施設で言語聴覚士として
働いており現状を目の当たりにしています

確かに節々で
「面倒を見られる家族の存在」を
感じています

例を挙げるとすると
3ヶ月に一度リハビリの実施計画書を
作成し、説明し、サインをいただく
という業務がありますが
ご本人にある程度理解力があり
サインが可能であれば
ご本人に説明しますが
そうでない場合は家族への説明となります

すると家族がいなくて
本人によるサインもできない場合
どうするの?という話

家族がいても遠方や疎遠の場合もありますし

そもそも施設に入所する段階や
介護認定の申請をする段階から
課題が山積み・・・

おそらくソーシャルワーカーや
ケアマネがいろいろ奮闘してるんだろうな
と思う今日この頃・・・

寄り添い支えてくれる人がいない

「老後ひとり難民」が直面する困難は「入院や入所のときに身元保証人がいないこと」だけではないからです。
本当の問題は、老後のさまざまな場面で、寄り添い、支えてくれる人がいないことでしょう。

『老後ひとり難民』第2章公的制度からこぼれおちる「老後ひとり難民」たち より引用

高齢になると痛いところが出てきたり
足腰が弱ってきたり・・・
それでもまだ日常生活を送れていれば
良いのでしょうが
転んで骨折して入院して
その間に筋力が落ちて体力も落ちて・・・

そうなってくると
いくらそれまでひとりで生活できていても
日常のいろんな場面で誰かの手を
借りたくなりますよね

高齢者は目も見にくいし耳も遠くなってくるし
スマホなどの機器にも疎い場合が多い

若者だったら困った時に
ネットスーパーを利用して家まで
届けてもらうこともできても
高齢者がそれを1から行うのは
難しいかもしれません

ちょっとしたことを相談できたり
手伝ってくれたりする人の存在は
大きいですよね

また本書でこの後出てきた内容で
もともとエレベーターのないアパートの
3階に住んでいたけれども
階段が難しくなったから引越を余儀なくされている
しかし引越作業も大変なうえ
引越先もなかなか見つからず
困ってしまうとのこと

もうなんかどうしたらいいんだろう
ってかんじですよね

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