エッセイ「大丈夫?」という純粋さ

以前『「大丈夫じゃない」という勇気』というエッセイを書いた
→ こちら

「大丈夫じゃない」と答える勇気を持ってほしい
という思いで書いた

ただやはり
「大丈夫?」と聞くと
「大丈夫」としか答えられない人が多いから
私はできるかぎり「大丈夫」と聞かないで
違う聞き方をするようにしている

基本的に私は常にこのように思ってはいるが
一年ほど前にこの考えを少し改めた出来事が起こった

当時我が子は陸上のクラブチームに所属していて
その大会に私も付き添っていた

その日は前日の雨により競技場は少し濡れていた

走り終え、ゴールするかしないかのタイミングで
我が子は滑って転倒した

無事にゴールはできたものの数か所擦り傷があり
水道で傷口を洗っていたところ
同じクラブチームの子たちが
それまで見せたこともない爆走で駆け寄ってきて
口々に「大丈夫?」と聞いてくれたのである

子どもたちには自分の責任がどうとかこうとか
大人のようなめんどくさい事情は存在しない

ただ純粋に、ただ単純に
心配して「大丈夫?」と聞いてくれているだけなのだ

こんな様子を見ていたら「大丈夫」ってことばも
案外悪いことばじゃないのかもなって思った

大人はいろいろ考えすぎなのかもね

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