エッセイ「かわいい」という洗脳 ④

子どもを産んでわかったことがある

我が子はかわいい、かわいくて仕方ない

うちはふたりとも男の子だが
やっぱりかわいい

ふたりとも中学生になったが
やっぱりかわいい

今でも、むぎゅーっと抱き締めたくて仕方ない

うざがられるので自粛するが
いずれにしても
かわいくて仕方ない

「かわいいかわいい」と
私を甘やかして育てた親バカな両親は
今の私が子どもたちに思っているように
私のことを本当にかわいく思っていたのだろう

その気持ちにおそらく嘘はない

両親が自分の気持ちを
素直に表現して行動してきただけのこと

「かわいい」という洗脳に悪意はない

結果的に洗脳されただけのこと


愛ゆえの洗脳

親になってようやくそれがわかった

見た目の良し悪しで判断される世の中には
なんとも言えない虚しさも感じるが
心の持ち方によってはそんなもの
超越できるのかもしれない

必死になって頑張る姿
楽しくて仕方なくて大笑いする姿
悔し泣きする姿

どれも美しくて、かっこよくて
かわいいと思わない?

内面が輝けば外見も輝く


たいしてかわいくない者の
負け惜しみかもしれないが
それでも輝いていたいじゃん?

「かわいい」という洗脳は
結果的に
私にそんなことを気付かせてくれた

終わり

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