ことばの羽根 ~あるSTの物語~35

前回のお話はこちら

前回も書いたが
患者さんの食事介助方法は
いかにSTが行うときと同じように
病棟で行ってもらうかが重要である

問題は食事介助方法を
どのように周知するか・・・

その病院にもよるが
私が当時勤めていたA病院は
食堂でみんなでお食事をするわけではなく
各病室で各自食べるというスタイルだった

そのため食事介助が必要な患者さんの
食事介助方法は
A4の用紙にマジック手書きで
食事の姿勢、
食事形態とトロミの程度、
一口量、
その他注意事項を記載して
病室の収納スペースなどに貼っていた

ここに貼っておけば食事介助の際に
確認しながらやってもらえるからだ

にもかかわらず
その通りにやってもらえないことはよくある

絵も描いて誰が見てもわかりやすく
してあるのだが、である

私がまだ1年目だった頃だろうか
看護師さんが自慢気に
私に言ってきたことがある

「一口量スプーンに一杯弱って
  書いてあったけど
  山盛り一杯いけたよ!!
  全然むせなかったよ!!」

山盛り一杯ずつにして
食事介助をはやく終わらせて
次の業務にあたりたいのはわかる

けれどもそれが許されない場合もある

むせなければOKではないのだ

そのあたりも含めてSTは評価しながら
食事介助をしている

当時は病院内でのSTの存在も薄く
ましてや1年目の小娘だったから
余計だったとは思うが
情報共有をしても
その通りにやってもらえないことが多く苦労した

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