うつ部下の思考(Kindle版)
本書により、うつ病の人はどのように考えているかを知ることができ、どのようなことばがけをしたら良いかがわかります。
メインメッセージ
うつ病になった身近な人と、どのように接するのか、どのように行動するべきかを知ろう
こんな方へ
部下がうつ病になり、どのように接したら良いかわからないあなたへ
--- はじめにより ---
ここにいつも一所懸命に仕事をしている部下がいるとします。
そんな部下がうつ病になりました。
本書ではその部下のことを《うつ部下》と呼ぶことにします。
さてあなたは《うつ部下》に対してどのように思いますか?
部下がうつになろうが知ったことではない。
代わりはいくらでもいる。
仕事を辞めたければ辞めればいい。
中にはこのように思われた方もいるかもしれません。
しかし、そんなことを言わずに考えてみてください。
その部下をここまで成長させるために、どれだけのお金と労力と時間が必要だったでしょうか。
《うつ部下》がここで退職したとしたら?
会社にも上司であるあなたにも、今後一切メリットはありません。
しかし《うつ部下》がしばらく休職したとしても、うつ病を克服し、復職できたとしたら?仕事の業績や効率アップが望めるかもしれません。
もしかしたら《うつ部下》はこれからの会社を担う優秀な人材になるかもしれません。
うつ病が治って心身共に落ち着いたら十分にありえることです。
それなら新しい人材を雇って、一から教えるより《うつ部下》の回復を応援する方がよっぽどメリットがあると思いませんか?
是非、上司の皆さんには《うつ部下》の回復を応援していただきたいと思います。
しかし一つ問題があります。
《うつ部下》の心は想像以上に繊細です。
あなたが特に気にしないで言った、なにげない言葉、どのように接して良いか分からず声をかけられなかったこと、もしくはついよそよそしい態度をとったこと、これらのことがきっかけで、《うつ部下》は傷付き、思い悩み、眠れなくなっていたかもしれません。
うつ病でない人なら全く気にしないような些細なことでも《うつ部下》は十分傷付いてしまうのです。眠れない原因となってしまうのです。そしてこのように少しでも対応を誤ると、うつ病を悪化させかねません。うつ病によりただでさえ苦しんでいるのに、周りの人とのコミュニケーションで更に傷付いてしまうのです。
それはまるで二次災害のようなのです。
私はうつ病で苦しむ方が二次災害によってこれ以上苦しむことがないことを願って自身のうつ病の経験を活かし、本書を書きました。
本書では《うつ部下》の症状、葛藤などのうつ病についての知っていただきたいこと、それに伴う上司の対応策や言葉がけについて考えていきます。
また、《うつ部下》の死に対する気持ちについても考えていきます。
現代社会においてうつ病は、女性なら5人に1人、男性なら10人に1人が一生のうち一度は陥る、非常によく起こる病気と言われているそうです。今まわりにいなくとも、あなたご自身、あるいはご家族、友人、同僚、上司、部下など身近な誰かがかかるかもしれません。
部下あるいはあなたの身近な人がうつ病になった時、あなたが最初にできることはなんでしょうか。
それは相手を傷付けないことです。
本書の目的は《うつ部下》含め、うつ病になった身近な人と、どのように接するのか、どのように行動するべきかを知ってもらうことです。
そして取り入れ、実践していただくことです。
ひとりでも多くの方が、本書の内容を活用していただけたら幸いです。
目次
はじめに
第一章 うつ部下の症状
うつ病とは
精神的な症状 (思考、コミュニケーション)
身体的な症状
第二章 うつ部下の葛藤
休職に対する葛藤
仕事復帰に対する葛藤
退職に対する葛藤
第三章 無自覚のうつ部下
第四章 うつ部下の悲愴
過去を責められること
現在を否定されること
勝手な未来像を描かれること
人と比べられること
うつ部下にとっての厄介者
第五章 うつ部下の安息
現在の状態を認めてもらえることば
過去の功績を認めてもらえることば
第六章 うつ部下の死に対する思考
死にたい理由
「死にたい」と人に言う理由
「死にたい」と人に言わない理由
第七章 上司からうつ部下へのメッセージまとめ
あとがき
奥付
※ 試し読みでは本書の40%を読むことができます。
ぜひご覧ください。