ことばの羽根 ~あるSTの物語~29
前回のお話はこちら
さてそんなわけで
先輩が時々指導してくれる
とはいえ基本ひとり職場(常勤STひとり)で
私のST人生は始まった
前にも少し書いたが当時
国家試験の合格発表は4月になってからだった
自己採点で8割程度とれており
まず大丈夫だとは思っていたものの
それでもどきどきしながら結果をみたのを
覚えている
STの成人の分野における対象の障害は
大きく3つにわかれる
① 失語症・高次脳機能障害
② 構音障害(運動障害性構音障害)
③ 摂食・嚥下障害
それぞれ説明するときりがないので
ごくごく簡単にだけ記載すると
失語症とは聞く・読む・話す・書く
といったことばを使って行うことが
苦手になってしまう障害
高次脳機能障害とは大きな括りで
半側空間無視などいろいろなものがあり
とても説明できないのだが・・・
失語症も高次脳機能障害の一種ではある
構音障害とはろれつがまわりにくくなる障害
摂食・嚥下障害とは食事やのみこみに
まつわる障害
STはドクターからリハビリの指示が出ると
患者さんのもとへ行き、あいさつの後
まずは簡単な評価をしていく
①から③のどれがありそうか
ということはもちろんだが
その前に意識、注意、記憶、感情といった面も
評価していき
入院生活において配慮が必要な場合は
それを他のスタッフと共有し
対応していかなければならない
今考えるとこのようなことが
STになりたての自分が十分行えていたとは
到底思えないが・・・
本来は行うべき業務である
続く。
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