言語聴覚士がいまいち有名にならない5つの理由

言語聴覚士(以下、ST)という仕事をご存知でしょうか?

おそらくご存知ない方も多いことでしょう

STとは簡単に言うと
言葉や飲み込みのリハビリをする仕事です

脳梗塞や交通事故などで脳にダメージを受け
うまく話せなくなったり
うまく飲み込むことができなくなった方の
リハビリをします

他にもお子さんの言語発達に関する分野や
聴覚に関する分野もあります

日本では1997年より国家資格となりました

医師や看護師同様、国家資格であるにもかかわらず
マイナーな職業だと思いませんか?

STがいまいち有名にならないことには
5つの理由があると考えます

言語聴覚士がいまいち有名にならない5つの理由

 ① 人数が少ない
 ② 目立ちたがり屋が少ない
 ③ 個室でのリハビリが多い
 ④ 口コミを広げられる患者さんが少ない
 ⑤ 患者さん自身が改善を実感しにくい


人数が少ない

まずSTの人数が少ないことが挙げられます

前述のように国家資格になったのが1997年
2025年現在、まだ30年経っておらず
有資格者の人数自体が少ないのです

2019年時点の情報ですが
同じ「リハビリ職」である
理学療法士(PT)は約17万人
作業療法士(OT)は約9万人

そして言語聴覚士(ST)は約3万人

違いは明らかです

そのうえ毎年の国家試験受験者数も
STはPTOTに比べて明らかに少なく
人数の差は開く一方です

目立ちたがり屋が少ない

少なくてもインフルエンサーのような人が
いればまた違うのでしょうが
STの多くはどちらかというと
前に出たいタイプではなく
一歩下がっているようなタイプが多いのです

つまり「目立ちたがり屋が少ない」

ちなみに私は目立ちたがり屋なのですが
ST関連のことを発信することが少ないので
STを有名にするお力には
なれそうにありません・・・

個人的な印象ですが目立ちたがり屋が多いのは
リハビリ職の中では圧倒的にPTです

個室でのリハビリが多い

3つめの理由として
STは個室でのリハビリが多いことが挙げられます

PTやOTはリハビリ室あるいは廊下など
広い空間でリハビリをしていることが多く
いろんな人の目につきやすい

一方でSTは病院の場合は特に
個室でリハビリをしていることが多く
良くも悪くも人の目につきにくいのです

同じ病院で働いていても
「STって何してるの?」
と思われていることもあります

STは個室でのリハビリのため目立ちにくい
と言えます

口コミを広げられる患者さんが少ない

「患者さんによる口コミ」というのは
なかなか影響力が大きいものです
ネット上の口コミに限らず
おばちゃんの世間話の威力はすごい

「私ねー○○病院でリハビリしてもらったの
 親切にしてもらえてね良かったよ」

などという世間話が存在しているかと
思いますが
STがリハビリをする患者さんは
「話しにくくなった人」であるため
積極的に話そうとしないことが多いのです

できなくなったこと、苦手になったことは
隠したいですよね

だから必要以上には
人と話さなくなってしまう人も多いのです

つまりSTがリハビリをした方は
口コミを広めたくても広めない場合が多い
と言えるでしょう

患者さん自身が改善を実感しにくい

もし十分に口コミを広げられる発話能力が
あったとしても「良くなった」という
実感がなければ良い口コミはなされません

例えば足や手は
・以前は歩けなかったけれど歩けるようになった
・箸で食事できるようになった
のようなかんじで良くなったことが
目で見て実感しやすいと言えます

一方、言語障害というものは目に見えません

そのためSTから見て良くなっていたとしても
患者さん本人は良くなったという実感を
持たれていないことも多いのです

その状態では口コミなんてしませんよね・・・

④と⑤の理由により
「○○さんのおかげで良くなったわー」
と言われることもPTOTに比べて
少ないと断言できますね

賞賛されることが全てではないとは思いますが
こういう声が上司やもっと上の人の耳に
届くこともありますからねぇ
その可能性が低い部分に少々さみしさを
感じなくはないですね・・・

まとめ

言語聴覚士がいまいち有名にならないのには
このような5つの理由があります

有名になればいいというものではありませんが
噂によると養成校によっては定員割れを
しているところもあるとか。
それはちょっとさみしいですね

どのようにしたら
STが世の中にもっと認知されるのか・・・

STが今すぐにできることとしては
「個室にこもりすぎず病棟などでも
  積極的にリハビリを行うこと」
でしょうか

他になにか良い案があれば教えてください

私もまた(気が向いたら)
STに関する発信をしていきます

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