ことばの羽根 ~あるSTの物語~ 4

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「言語聴覚士」と「音楽療法士」に興味を持ち
調べ始めた私は
決定的な大きな2つの違いがあることに気付いた

「言語聴覚士」は国家資格であるのに対し
「音楽療法士」はそうではない

「音楽療法士」はピアノなどの楽器を
弾くことを必要とされるのに対し
「言語聴覚士」は弾けなくても良いっぽい
ということだ

ちなみに私は楽器がなにも弾けない
小さい頃ピアノを習ってはいたが
すぐにやめてしまった
「ネコ踏んじゃった」くらいしか弾けない

そして両親は手に職をつけることを望んでいる

手に職をつければひとりでも生きていけるから
ということらしい
その点に関して異論はなかったので
私もそうしたいと思っていた

こんな理由から私は
「言語聴覚士になろう」と思った

数ある医療系の仕事の中から
自分の学力でもなんとかなりそう
かつ、血が苦手でもなんとかなりそう
かつ、興味のある内容という
なんとも消去法チックなかんじではあるが
それでも、中学生の時にぼんやりと抱いた
「耳の不自由な人の役に立つ仕事がしたい」
という想いからは外れていない気がした

ちなみに
今でこそ「言語聴覚士」という資格は
「名前は知っている」という人も増えてきたが
2000年頃はまだほとんど知られていなかった

看護師の母でさえ知らなかったくらいだ

当時国家資格になってまだ数年だったから
無理もないかもしれない

というわけで私は
「言語聴覚士になるための学校に行きたい」
と親に告げることにした

  続く。


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