読書記録『「逃げ恥」にみる結婚の経済学』
大ヒットドラマ「逃げるは恥だが役に立つ(通称:逃げ恥)」の舞台をベースに、現代の結婚を豊富なデータと経済の視点で紐解く!
本書は家庭内での男女の不平等さにもやもやとしている女性におすすめです
いや、それよりもそんな女性に甘え切っている男性にぜひ読んでいただきたい!
本書は以下の5部構成で書かれています
『「逃げ恥」にみる結婚の経済学』
1「逃げ恥」が明らかにした家事労働の経済価値
2 「逃げ恥」が象徴する現代社会の結婚
3 育児の対価はいくら?「雇用型」から「共同事業型」へ
4 生存戦略としての結婚2.0は「共同経営責任者」
5 二人の将来像シミュレーション
家事芸術は必要ない(と私は思う)
どこまでが「趣味やこだわり(好きでやっている)」の範疇で、どこまでが「役割(社会からのプレッシャーでやらされている)」なのかも非常にあいまいです。「昭和の専業主婦」の母が時間にまかせて「家事芸術」の域まで昇華した、家事育児のクオリティを働きながら追求してしまうと倒れて救急車に乗ることになります。
『「逃げ恥」にみる結婚の経済学』4 生存戦略としての結婚2.0は「共同経営責任者」より
この部分が私が本書で1番印象に残ったというか「ありがとう」と言いたくなった部分です
人それぞれ家事における求める完璧度合いというのは異なるとは思います
そもそもこの部分が夫婦間で相違があるとなかなか生活しづらいものがあります。仮に妻より夫の方が求めるレベルが高いと妻は苦労するハメになるでしょう。決まってそのような場合には夫の母は「家事芸術」を極め、息子や夫になにもさせなかったような家庭でしょうからその考え方が受け継がれてしまっているものです
昭和は終わり、今は令和です。専業主婦であったとしても昭和の頃とは異なることも多々あります。個人的には「家事芸術」の追及よりも家族の笑顔の方が大事だよなぁと思います
ちなみにこの記載の少し前に『「世界一家事をしない日本男性」と「世界一家事やりすぎの日本女性」は有名です。』という記載もありました。なんなんでしょうね(笑)
下手すればブラック企業
みくり「労働時間の上限もないんです。下手をすればブラック企業になりかねません」(最終回)
なぜブラックなのかといえば、主婦は24時間労働だからです。主婦の本当の辛さは、家事でも育児でもなく、待機時間にあると考えています。
『「逃げ恥」にみる結婚の経済学』4 生存戦略としての結婚2.0は「共同経営責任者」より
(中略)
専業主婦は優雅だと思われがちですが、実は「隙間時間」しか自由はありません。隙間時間というのは「待機時間」でもあるので、本当は「労働時間」のうちです。
子どもが新生児のうちは本当に24時間営業ですし、小学生や中学生になってからもなんだかんだで完全に自由の時間は少ないものです
少し私自身の話をさせていただくと現在私は働きには出ず、自宅で各種発信活動をしています
子どもは中学生なので働きに出られるだろうと思われるかと思いますが「学校から帰って来て塾に行く前に夕飯を食べたいという子どもの希望」「父と母のどちらかは家にいないとだめ(短時間の買い物は除く)という夫の意向」「夫の帰宅時間は日付が変わる頃」「私自身の体力のなさ」これらを考慮するととても働きには出られません
というか、遊びに行くこともままなりません。関東に引っ越してきたので色々観光に行きたいのですがなぜか私がでかけようとしている日に限って子どもが体調不良で早退することも多いのです
そしてもし何かあっても車で迎えに行けるように基本的に家に家族全員いるとき以外はお酒を飲みません
こうやって見ると私ずっと待機してますよね(笑)
我が家は完全なブラック企業ですね
ここで大事なことは夫婦間、そして子どもを含め話し合うことだとは思います。ちゃんと話し合えるご家庭が増えますように。(我が家はそれが十分に行えていないけどももうあきらめました。あと数年我慢します)
本書はドラマやまんがの「逃げ恥」を見ているとより楽しめる本ではありますが、そうでなくても日本の現状が鮮明に描かれ非常に参考になります。完全に「好きの搾取」をされている身としては途中読むのがつらくなってはきましたが。