読書記録『おじさんの定年前の準備、定年後のスタート 今こそプロティアン・ライフキャリア実践!』
定年が見えてきて今後の人生を考えている方におすすめです
本書は以下の7部構成で書かれています
『おじさんの定年前の準備、定年後のスタート 今こそプロティアン・ライフキャリア実践!』
1 見えない10年後。しなやかに対応できる「自分軸」作りを
2 定年前後に効くプロティアン
3 定年後、組織外キャリアを築くための行動
4 パラレルキャリアの実践
5 7名の事例~現在進行形のインタビュー~
6 定年後の働き方のパターンとは?
7 ライフキャリア~家族と傾聴~
プロティアン・キャリアとは
「プロティアン・キャリア」とは(中略)環境の変化に応じ、自分軸を持って自分自身を変化させていくという柔軟でしなやかなキャリア形成のことを指します。
『おじさんの定年前の準備、定年後のスタート 今こそプロティアン・ライフキャリア実践!』第2章 定年前後に効くプロティアン より引用
私はこれまでプロティアン・キャリアということばを知りませんでしたが本書を読みその内容に大変共感しました
職場内でどれだけ給料を得ていても、役職がついていても、退職して家庭や地域に帰るとそれはなんにもなりません。それを鼻にかけていたら「今はなにもないから過去の栄光にすがりつくしかないんだね、お気の毒に・・・」というかんじになるわけです
昇進してお偉いさんになって退職したけどご飯の炊き方もわからない、奥さんの趣味や好きな食べ物すら知らない男性と、万年平社員だったけど簡単な料理であれば作ることができる、家族の趣味や好きな食べ物も把握している男性を比べたら、きっと後者の方が定年後は生きやすいのではないだろうかなんて思ったりもしますね
何が言いたいかというと、職場内の地位や名声も大切だけどそれ以外も大切だよねってこと
以下に本書に載っていた大変わかりやすい図を載せます
項目 | 旧来のキャリア(組織内キャリア) | プロティアン・キャリア |
主体者・主役 | 組織(キャリア開発) | 個人(キャリア開拓) |
核となる価値観 | 昇進・権力 | 自由・成長 |
目指すもの | 地位・給給与 | 心理的成功 |
旧来のキャリアでは昇進、権力、地位、給料という数字や肩書といった目に見えてわかりやすく、階段のようにステップアップしていくものでした。一方、プロティアンでは自由、成長、心理的成功になりますので主体者自ら価値観を探り、自分にとっての成功とは何かということを生涯に渡って実践していかなければならないのです。
『おじさんの定年前の準備、定年後のスタート 今こそプロティアン・ライフキャリア実践!』第2章 定年前後に効くプロティアン より引用
私は常々「数字に振り回されたくない、支配されないようにしよう」と自分に言い聞かせています。ついついいろんな数字が気になってしまうことはあるのですが大事なことは数字じゃないと思うのです。数字というものは間違いなくわかりやすい、だからそれを価値基準にして評価をしたりされたりすることは多いのだけれど、その価値基準の枠から外れたらなんにもならないわけです
わかりやすく例えをあげるとすると、10件営業成績をあげれば上出来なところと50件とっても少ないようなところだったら価値基準は違いますよね。比べられないわけです。たとえ素晴らしい成績であったとしてもその枠からはずれたら賞賛されなくなるんですよね。だからそういう営業成績の数そのものではなくて、営業を重ねることで培ってきたコミュニケーションスキルとかそういった目に見えないものにも目を向けた方がいいってかんじですね(本書にこのように書いてあったわけではないですが)
会社の中で課長や部長であってもその職場を辞めてしまえば課長でも部長でもないのも同様です
個人として何を身につけ何ができるか、会社という後ろ盾がない状態でどのように自分を発揮していくか、そこらへんが重要ってことですよね
本書では著者が運営している「おじさんLCC」で出会ったおじさまたちのプロティアン・キャリアの実践事例が掲載されています。拝読して私は非常に勇気や希望をいただくことができました。私もますます頑張っていきたい所存です