寛解の目安(うつ病と私②)

少し前に「うつ病と私」という
記事を書いたところ
大変ありがたいことに質問をいただいたので
お答えしてみたいと思います
(遅くなってごめんなさい)

「うつ病と私」の記事はこちら

前回も書きましたが厳密に言うと
私はうつ病ではなかったのかもしれません

その点を考慮の上お読みくださいませ

いただいた質問は
「寛解する時はどのように感じるのか」
という内容でした

「寛解」ということばはあまり聞き慣れない
と思うので一応意味を確認しておきましょう↓

寛解とは、病気が完全に治った「治癒」という状態ではないが、病気による症状や検査異常が消失した状態

皆さんご存知のように、うつ病とは
転んでできたすり傷のように
目に見えるものではありません

すり傷であれば「治った」というのが
わかりやすいのですが
うつ病はそうではなくわかりにくい

そしていきなりポンっと良くなるものでもない
三歩進んで二歩下がる
時には
二歩進んで三歩下がることだってある

そんなかんじだから「寛解」というのが
わかりづらいんですよね

おそらく、しばらく休んでいると
仕事に行くことは
億劫になるし、なにより怖くなる

働かなきゃと思ってはいても動けない
このままじゃいけないと思っているけど
動いたことで悪化するのも怖い

こんな想いで揺れ動いている時期も
あるのではないでしょうか

私にもありました

私の場合
家がくつろげる場所ではなかったので
仕事をやめて家にいても
急激に良くなった
というかんじはありませんでした

それどころか
「いつになったら働けるんだ
 今後の事を考えると不安になる」
と家族に言われ
「あーこの人はそういう人なんだな」
と落胆したことを覚えています

ちなみに言った本人はこれを言ったことを
一切覚えていません
しかし言われた方は覚えているものです

まぁそんな状態だったので
「はやく働きに行きたい。家にいたくない」
という思いはずっとありました

とは言ってもうつ病になり
休職・退職するときに
手のひらをひっくり返してきた
職場の人は何人もいて
それにより完全に人間不信になっていたので
「働くのが怖い」という気持ちもありました

思い返してみると私の場合
「寛解したから働きに行けた」ではなく
「働きに行ったことで寛解した」ように思います

休んでいる時は
どこか甘えてしまっていたのも事実
※ あくまで私の場合です!

これまでと異なる所へ働きに行ったことで
私のことを「うつ病の人」ではなく
「ひとりの言語聴覚士のパート社員」
として扱ってもらえ
しかもマンパワーが足りていなかったから
ありがたがられ・・・

ちょっとしんどい日もあったけれど
頑張って出勤して
成功体験を積み重ねていったことで
寛解していったのではないかと思います

なお、働く前に
主治医に働きたい旨を伝えたところ
「家にいてもこれ以上良くならないから
  いいんじゃないですか」
と言われましたね(笑)

というわけでおそらく
狭義の意味でのうつ病ではなかった私は
少々無理矢理働きに行ったことで寛解しました

ただ働き始めたときには
人間不信は少し和らいでいたとは思います
「人間が怖くないこと」
これはポイントかもしれません

加えて、うつ病の体験談をKindle本として
まとめたことで少し離れた視点で
自分を捉えられたことが良かったのかも
しれません

さて、ここまであまり参考にならないであろう
私の体験談をお話してきました

誤解しないでいただきたいのは
誰でも働き始めれば寛解するわけではない
ということです

私はたまたまうまくいっただけかもしれません

ただ、いつか0→1は必要です
つまり休んでいる状態から動き始めるときは
いつか必要で、そこには多少の苦痛を伴います

大事なこと

①  0→1の苦痛を最小限にできるよう
   家庭及び職場などの環境を配慮すること

② 0→1に耐えられる状態を作り上げること

③ 0→1のタイミングを見極めること

「0→1」と書いてしまいましたが
「0→1」ではないのかもしれません

「0.0001」「0.002」などと細かく細かく
刻んで進んでいくことでいつか「1」に
辿り着けるものなのかもしれません

こうやって書くほど簡単なことではない
ということは私もよくわかっています

本当に大変なことだと思います

うつ病の数値が
ゲームの「HP」のように
今どれくらいの値で
あとどれくらい耐えられるかが
わかりやすく見えたらいいんですけどね

この内容が少しでも参考になれば幸いです



寛解の目安(うつ病と私②)” に対して2件のコメントがあります。

  1. 畑中秀文 より:

    飛立様

    ご返事をいただきありがとうございます。

    そういう感じなんですね。

    想像していた感じでした。

    うちの家族の中で三女が、仕事に就きだして(発病前は、保母さんだったのですが、今はスタジオアリスとベビーシッターの掛け持ちで)働ける時間も4時間程度から、8時間に回復しだしました。

    家内と次女は、お医者さんからは2~3年はかかるといわれています。
    家内は、私の実家(徒歩10分程度の距離での私の実家に(父母とも死去))に一人住まい。
    次女と私が一緒に住んでいます。

    1月末で私が定年退職しましたので、洗濯や食器洗い等に専念できるようになりました。

    7年前まで18年間単身赴任していたので、じっくり家族と向き合える時間を作っていきます。

    飛立様のうつ病の体験談をKindle本や記事を読み、そんな感じなんだろうと納得し安心をいただいております。

    ほかの文献は、患者さんからの視点のものが少なく、なかなか腑に落ちないので飛立様の発信が、本当にありがたい限りです。

    長いスパンで気長にとらえていきます。

    感謝しております。

    1. hidate-midori より:

      畑中さま
      お読みいただき、再びコメントありがとうございます。

      1月末で定年退職されたとのこと、お疲れ様でございました。

      そして三女さまがお仕事に行かれているとのこと、私も大変嬉しく思います。しかも8時間も!すごいです!!
      これも畑中さまが献身的にご家族を支えていらっしゃるからこそだと思います。
      奥さま、次女さまはもう少しお時間かかるかもしれませんが、おっしゃるように、気長に見守っていただけたらと思います。

      なにかまた気になることなどあれば私の場合の話でよければ発信しますのでおっしゃってくださいね。
      いつもありがとうございます

      飛立未鳥

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